apt-X対応BluetoothイヤホンSoundPeats QY8 を試してみました

アップルが最新のiPhone7でアナログ端子を廃止したりと、世の中デジタル化/ワイヤレス化が加速しています。

ワイヤレスで音楽を聴くなんて邪道だとばかりに、これまで頑なにアナログのケーブル接続に拘っていましたが、こんがらがったケーブルの取り廻しに四苦八苦しながらイヤホンをスマホに接続するのに最近疲れてきました。

もっと便利に楽しめないものか。。。

そんななか、Bluetoothの新しい技術apt-Xに対応したワイヤレスイヤホンもいろいろな製品が出回ってきたということで、ネットで評判のサウンドピーツ製BluetoothイヤホンQY8 を試してみました。


こちらのサイトでは、SoundPeatsのQY8がBluetoothイヤホンの最強おすすめ人気ランキング20選の堂々第一位に輝いています。

サウンドピーツ製BluetoothイヤホンQY8

Amazonで2,800円くらいで売っています。私はタイムセールで2,519円で買いました。色はブラックとホワイトの2色です。

商品のパッケージ内容はこの価格帯にしてはかなり豪華です。ケース以外にイヤーピースがたくさん付属します。

付属品

私の場合は最初から付属していたイヤーピースの大きさがちょうどぴったりフィットでした。

Amazonの説明を読むと、QY8というイヤホンは以前からあったようで、今回それがapt-Xに対応したということでした。

Amazonのカスタマーレビューが1,153件もあり、5つ星のうち4.0と高い評価がついていることから、ベストセラー商品だということがわかります。

Amazonサイト

apt-Xとは、CSRという英国の半導体メーカーが開発したコーデックで、「アプトエックス」と発音します。

apt-X

これまでのBluetoothの音声コーデックは、SBC(SubBand Codec)コーデックや、AAC (Advanced Audio Coding)が標準的でしたが、SBCやAACは、利用できる製品が多い反面、圧縮効率や転送速度を優先しているため、音質面では今一つだったのです。

apt-Xは、SBCやAACの問題点を解決して、従来の聴覚心理を利用した圧縮方式を採用せず、同時に遅延も最小限に抑える技術特徴を持っています。apt-Xを使うと、CD音質クオリティ(44.1kHz, 16bit)の1.4Mbpsの信号を、352kbpsへ約4分の一に圧縮して伝送することができるそうです。

今ではAndroid4.0以降のスマートフォンの75%がaptXに対応しているそうで、全世界のaptX対応デバイスの合計は約10億台にも上るとのことです。

このように良いところだらけのapt-Xですが、最大の泣き所は、iPhoneでサポートされていないという点です。iPhoneは相変わらずAACのコーデックしかサポートしていないのです。

現在高音質と言えるコーデックは「AAC」と「apt-X」です(他にソニーのハイレゾ製品に対応する「LDAC」というコーデックもあります)。「AAC」はiPhone、「apt-X」はandroidに対応するコーデックです。

QY8は、apt-Xには対応しているものの、AACには非対応なので、iPhoneと接続すると、古い規格のSBCでしか接続できないので注意が必要です。

操作はいたって簡単。右側のイヤホンのボタンを3秒間押すと電源が入ります(ペアリングはさらに5秒間押し続けるとペアリングモードになります)。日本語の女性の声で「電源をオン/オフにしました」とガイダンスが流れます。

ボタンが大きいので操作しやすいですね。

私のスマホはSonyのXperiaでapt-Xをサポートしているので、QY8をペアリングして接続すると、以下のようなメッセージが出てapt-Xで接続されたことが確認できます。

Xperiaでの接続画面

これで準備完了。早速Xperiaに保存されている楽曲を聴いてみると。。。

おおお。。。!

Bluetoothとは思えないこの重低音は何なんでしょう!

しかも中広帯域もはっきりと伸びていて、バランスの良い迫力のあるサウンドが再生されるではないですか!

さらに、曲そのものが楽しく聴こえてきます。これまでのフラット志向のイヤホンの対極にあるようなご機嫌なサウンドです。

いやこれはもうBluetoothとか、ワイヤレスとかいう次元の音質ではありません。

たかだか3,000円のオモチャのようなイヤホンが、ここまで良い音がするとは、衝撃としか言いようがありません。

ここしばらくは、Ultimate EarsのTriple Fi.10か、OnkyoのカスタムインイヤーモニタC3を使っていましたが、どうやら交代の時期が来たようです。

Triple Fi.10のクオリティは今でも最高峰なのですが、ケーブルの取り廻しが硬く、おまけにユニットを左右の耳にグイッと押し込んでシュア挿しするのも一苦労です。

C3も(カスタムなので当然ですが)ドライバーユニットを耳に装着させるのも、耳から外すのも大変労力のかかる作業で面倒です。

対して、このQY8のなんというお手軽なことか。

無造作にカバンやポケットに入れておいて、ちょっと聴きたいと思ったら取り出して左右の耳にはめて、ボタンを押すだけ。。。

QY8特筆すべき点は、遮音性の高さと装着感の良さだと思います。

一般的なカナル式のイヤホンを遥かに凌ぐ遮音性があります。重低音がしっかりと再生される分、外部の騒音が聞こえなくなるのでしょう。

そして、1時間ぶっ続けで装着していても、まったく気にならないほどの装着感の良さも特徴です。

しかし、この性能で3,000円もしないとは。。。10,000円を超える高級Bluetoothイヤホンはもう売れない時代になったと思います。

ところで、Amazonで調べると、QY8という名前の製品がいくつかの異なるブランドから発売されていました。外見はそっくり、価格はどれも似たようなものです。



こちらのサイトの説明によると、QCYというブランドがQY8のオリジナルブランドだそうです。そしてQCY-JPは、アマゾンでのショップ名を JPRiDE(ジェイピー・ライド)と変更しているそうです。ややこしい。。。

そのJPRiDEのQY8 MK-IIだけは、apt-Xに加えてAACコーデックにも対応しているようです。これならandroidだけでなく、iPhoneでも高音質を楽しめますね。

AACコーデック対応以外は各ブランドとも性能は同じのはずなので、あとは本体のロゴや付属品の違い、そして若干の価格の違いで選べば良いのではないでしょうか。

Bluetoothの音質なんて昔のアナログ電話程度としか思っていませんでしたが、apt-Xを聴いてみるとそのような先入観が吹っ飛んでしまうほどの衝撃でした。

音質に徹底的にこだわるユーザーは、ポータブルアンプ(通称ポタアン)やDAPを持ち歩き、超弩級のアナログヘッドフォン/イヤホンでハイレゾ音源を聴いていますが、いつものスマホにQY8のような手軽なBluetoothイヤホンを持ち歩くだけで、相当なレベルで音楽を楽しむことができるようになったというのは画期的なことだと思います。

(おわり)

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