【もてぎエンデューロ7時間ソロ(第12回)に挑戦】過激過ぎる!高速ロードレース

第12回もてぎエンデューロ7時間ソロ、無事に完走しました。
1周4.8kmの起伏に富むレーシングコースをひたすら周回。記録は196km、目標の200kmには僅かに及びませんでしたが、力の限界を超えて最後まで勝負に執着できたので満足しています。


エンデューロ初めてでしたがこんなに過激とは。。。4000人がサーキットにひしめき猛スピードで競い合う光景は圧巻でした。

もてぎエンデューロにエントリーしたのは、友人のバイクの師匠(大会表彰台経験アリの強者)から誘われたからです。

出場種目のなかでメジャーな4時間ソロではなく、1番時間の長い7時間のソロを選んだのは、はるばるもてぎまで行くんだからそのくらいの時間楽しまないと。。。という単純な動機からでした。

また、アイアンマンのバイクの距離が180kmでだいたい7時間くらいかかるので、ちょうど良い練習になるのではという思いもありました。


天気予報では、晴れのち曇りの絶好のコンディション、しかし最高気温予測が17℃(前日比-4)と低いのが気になります。。。

前週のブルべ200km(ブログはこちらです)の疲れが心配でしたが、幸いなことに筋肉痛も収まり、前日金曜日の夜はぐっすり睡眠できました。

レースの当日の朝、師匠を途中でピックアップするために午前3時に起床、3時半に家を出ました。師匠をピックアップ後、池袋で首都高に乗って常磐道経由で水戸ICまで約150kmの道程です。しかし遠い。。。

会場のツインリンクもてぎには午前6時50分ころに到着。

ツインリンクもてぎ北ゲート駐車場に到着

すでに北ゲート近辺の駐車場は満車です。ダメ元で満車の駐車場に入ってみるとラッキーなことに駐車スペースが見つかり助かりました。

サーキットの試走は午前7時から開始なので、急いで自転車を組み立てて会場を目指します。

会場に到着すると既に試走が始まっていました。

指定のピットNoを探して、受付を済ませて。。。などとやっているうちにどんどん時間が過ぎてゆきます。試走の最終コースインが7:40AMなので焦ってきました。

着替えも自転車のセッティングも後回しにして、とりあえず普段着&スニーカーで自転車にまたがりコースに出ることに。コースに出たときは試走時間残り10分くらいでした。

サーキットコースにはおびただしい数の自転車が試走に出ていました。しかも種類や人もさまざま。。。派手なユニフォームのガチのライダーから、ママチャリ、子供、女性のグループなどなど。。。まるで大通りの祭りのようです。

サーキットを試走

サーキットで走るのは、実はこれが2回目です。以前日産カップというショートのトライアスロンレースに出た時に、横須賀(追浜)の日産のテストサーキットを走ったことがあります。

しかし、今回のもてぎのコースは、MotoGP™ 日本グランプリにも使われる本格的な国際レーシングコースです。

レースコース

以下は大会のサイトに掲載のコース紹介文です。

「バイクや車のレースとは逆方向に走るのが特徴。スタート後の最初のポイントは90°コーナー。ほぼ直角のコーナーを曲がった直後から約760mにわたる上り坂が出現。ツインリンクもてぎ最大の難所です。坂を上りきったら下りでいきなりスピードアップ。ただし、ヘアピン、V字と細かなコーナーが続くので速度コントロールして安全走行を心がけましょう」

この760mの上り坂ですが、試走してみてこれが結構長くてキツイことがわかりました。

最大斜度は7%らしいです。

こりゃ目標の200km走るのは無理だな。。。と  (´д`)

坂を上り切ったところの左手にエイドステーションが設営されています(下の写真左)。

坂の上のエイドステーション入口

このエイドステーションには個人の物も置けるスペースが設置されているということで、私もここにドリンクや補給食を置きました。

この先は一緒に来た師匠(2時間エンデューロに出場)とは別行動に。。。

しかしここで最初の失敗。時間がなく焦って準備したせいもあり、補給用に準備しておいたパイや食パン、そして万一のパンクに備えて準備した交換セットもすべて置き忘れてしまいました。

とにかく急いでコースに戻ります。もう試走している人もほとんどいません。。。

急いで戻ります

ピットインしたら今度はトイレで着替えを済ませます。次にバイクに計器類とアクションカムを取り付け、近くの自販機でお茶を購入、最後に計器チップをバンドで固定させてようやく準備完了。

空はどんより曇りでかなり肌寒いです。なので、コンプレッションのレッグサポーターとアームウォーマーを着けることにしました。上は半袖レースシャツ1枚です。

気がついたら選手はみなスタート地点に並んでいます。。。あと7分ほどでスタート、急げ!

大慌てでバイクにまたがり、7時間選手の集団の最後尾近くに並びます。7時間はスタート時間が午前9時04分です。

午前9時00分に4時間組が一斉にスタート。そしていよいよ7時間組のスタートが。

スタート地点の電光掲示板が秒読みをカウントします。そして。。。

午前7時04分。レースが開始しました!

1周4.8kmを10分で周回すれば、7時間で42周、4.8kmx42=201.6kmで200km走れる計算です。平均時速にすると28.8km/h。

まあ試走のときの上り坂のキツさを考えると、自分の貧脚では200kmはちょっとムリだろうと思っていたので、まずは最初の100kmを7時間の半分の3.5時間でクリアすることを目標に走ります。

Garminは予め4.8kmごとのラップタイムをアラート表示するようにセットしてあったので、周回ごとのペースが一目瞭然です。

以下はアクションカムで撮影した1周目(約9分45秒)の映像です。

第1周目

最後尾に近い位置だったでスタートの合図から15秒くらい経ってからユルユルと走行開始。スタート直後は混雑しているので、周囲との接触に気をつけながら慎重にコース取りしていきます。

徐々にスピードアップ、先を行く遅い選手を追い抜き快調に飛ばします。

ブリッジに差し掛かる直前

サーキットコースを走るのは爽快です!

やがて1周目が終了。最初のラップはスタートが遅れた分遅いですが、9分35秒となかなかの速さです。1周10分を切っていれば貯金になるので、さっそく貯金25秒。

1周目を終えてフロントストレートに

2周目に入りました。

だんだん周囲が同じくらいのスピードの選手に落ち着いたので、抜きつ抜かれつ。。。

右に大きく旋回するV字コーナーでは直前が下りなので高速スピードで突入することに。車体が傾いてカーブなのでスリル満点。。。というか結構危ない。

V字コーナー(15'51")

V字コーナーを越えて次の左のコーナーに差し掛かったところで右側を猛烈な勢いでトップを走る4時間組の先頭集団(トレイン)が通り過ぎて行きました!

先頭集団が通り過ぎます(16'19")

実業団クラスの選手たちもたくさん参加しているとのことで、その速さはまさに「怪物」。同じ人間とは思えません。。。

ムリしてトレインの後方に乗ろうと力走しましたが、とてもじゃないけれど付いていけるスピードではなく、早々と諦めました。

下はそのときの映像です。如何にペースが速いか、是非ご覧ください。

先頭集団の激走

(2015/11/09追記)

上の映像の走りを師匠に分析してもらったところ、「途中から走行ラインがセンター寄りになっているので、後ろから見ると集団に混ざろうとしているのかどうかハッキリしない」ので、そういう場合は「手信号をすればよい」とのことでした。

確かにこのときトレインに混ざろうとしかけたので、ラインがブレているのだと思います。接触を避けるためにも手信号はとても大事ですね。

メイン集団の速さにつられたのか、2周目ラップは8分56秒と結構なハイペースになりました。平均時速に換算すると32.2km/hにも。。。上り坂が人一倍遅い自分にとっては驚くべきハイペースです。

貯金は1分29秒に。

その後周回を重ねるごとに確実に貯金を増やしていきました。以下は前半の3時間(1-18周回)のラップ記録です。

ラップ記録(1-18周回)

前半からかなりハイペースで走っています。記録を見ると一度も周回10分を割ることなく安定しています。18周回で86.4kmです。貯金は8分49秒まで増えました。

40km地点を1時間18分14秒(30.6km/h)で通過しました。今年の5月に出場した横浜トライアスロンのバイク1時間17分38秒とほぼ同じペースです。

周回を重ねていくうちにコースの細かい特徴も覚えてきたので、どこで加速すれば良いのかというのも学習してきました。

序盤は快調

私は上りは相変わらずゲキ遅なので、登坂が始まる前にレーンの一番左の隅に移動して他の選手の邪魔にならないように走ります。

しかし、たまにそれを忘れてしまってレーンの中央から登坂が始まると、自分の両端を速い選手がビュンビュン追い越してゆくので、うかつに左に寄ることもできず、相当怖い思いもしました。

何周目か忘れましたが、落車の光景にも遭遇しました。

確かダウンヒルの高速コーナーの先だったと思いますが、女性ライダーがコースの中央で倒れた自転車の脇でうずくまっているのが見えました。

コースの係員が対応しているのが見えます。当然選手たちは減速です。

気の毒ですが、どうすることもできません。。。

何度か後ろからギリギリの車間距離で追い抜かれてビックリしたことがありました。右側を走っていたわけでもないのに。

まあこれだけゴチャゴチャと実力もバラバラの自転車がひしめいていたら、速い選手からしたら走りにくくて仕方ないのかもしれませんね。私のような素人の走り方にも問題あるのかもしれません。

バイクはサーベロS2です

エンデューロはトライアスロンと違ってドラフティング(自転車のすぐ後ろに付いて風を除けること)が禁止されていません。

最初は同じくらいのペースの選手の後ろに付いてドラフティングしてラクをしようと考えていたのですが、直線コースの短い距離を除くと、コーナーや坂になるとペースもコース取りも変わってしまうので、ずっと同じ選手にドラフティングするのはムリだとわかりました。

結局、ほとんどの時間は単独走行することに。

単独走行で頑張ります

2時間30分くらい走っていたころでしょうか。。。

「調子どうですー?」

後ろから声をかけられました。

先日も同じブルべで一緒だったひらちゃん(4時間組で出場)でした。

「あー、ひらちゃん、もう一杯一杯ですよ~」

エンデューロを何度も走り慣れているひらちゃんは元気一杯、一方私のほうは飛ばし過ぎたせいか、結構ヘロヘロ状態です。

「200kmはムリです。。。」

しばらく雑談しながら並走しました。

この時点でひらちゃんは私よりも1周回多く走っていました。さすが!

なんでも会社の自転車部のチームとたった1人でタイムを競っているそうです。スゴイ!

やがてひらちゃんは途中のエイドステーションに入るということで、お互いの健闘を祈って別れました。

レースのほうは、上り坂の先のペアピンを抜けてV字からS字コーナーの下り坂が時間を稼ぐ最大の区間です。

V字コーナーのインを走ります

V字コーナーは直前で下り坂になっているのでかなりのスピードで突入して鋭角にカーブするので危険なのですが、ここは頑張って毎周回インに突っ込んでそのまま加速しました。

S字コーナーもインを走ります

そして、S字コーナーを抜けた先の緩やかな下りは、アンダーブリッジまでがトップスピードが出せる区間です。今回のレースでは最大58.5km/hが記録されましたが、おそらくこの区間を走っているときだと思います。

アンダーブリッジに向かって加速

頑張って漕ぎます

すると今度は突然、背後から来たメイン集団の先頭を引っ張っていた選手が追い抜き越しに、

「ファイト!!」

と声をかけてくれました。

その選手は長いトレインを率いてあっという間に視界の彼方に。。。

え、なんで?

あっという間の出来事にしばし呆然とします。

メイン集団を引っ張れる実業団クラスに知り合いなんか当然いません。

いやまてよ、さっきのジャージは師匠と同じ。。。

しかし師匠は2時間組なので、まだスタートもしていないはず。

では誰ったのか?

。。。事の真実は大人の事情で置いておきますが、レース後に確認したところ、それはやはり師匠でした。。。 (´д`)

しかしさすが師匠、怖ろしく速かったなぁ~ (◎_◎)

そんなことをしているうちに。。。やがて両脚へのダメージが徐々に溜まっていくのがわかります。果たして7時間ももつのだろうか。。。?

スタートして休みなく3時間走ってさすがに疲れてきました。。。

表情にも疲れが

ラップタイムも徐々に遅れ出し、18周回目はラップが9'58"とこれ以上周回10分切りのペースを維持できなくなりました。

スタートからの走行距離は86.4km。

時刻は正午に近くなったのに、空は一面厚い雲が覆って、気温も上がりません。

疲れがピークに近づいてきた上に、ハンガーノックが心配になったのと、トイレに行きたくなったこともあり、19周回目で止むなくエイドステーションで休むことにしました。。。

坂を上り切ったところのエイドステーションで自転車を降ります。

あいにく仮設トイレは長蛇の列。。。仕方なく補給食とエアーサロンパスを持ってその列に並びます。

トイレに並んでいる時間を活用してまずは補給食を摂取。先月のウルトラマラソンでも活躍した胃に優しい介護食の補給です。「やわらかビーフの欧風カレー」と「リハたいむのゼリー」を摂取します。

介護食を補給食に応用するというのは、トライアスロンの友人から教えてもらったのですが、胃腸の消化に優しく、自転車のように常時内臓が揺られている状態でのカロリー補給には理想的です。

介護食を補給食に

そして足腰のストレッチをしながら、膝まわりにエアーサロンパスを噴射。膝の屈伸をしてみたところ、痛みはあるもののまだ大丈夫なことを確認。

トイレを済ませて再スタートしましたが、タイムロスは7分くらい。これまで蓄積してきた貯金を一気に消費してしまいました。。。

結局19周目は17分46秒もかかってしまい、貯金は1分3秒に激減。

しかし休みを取って補給もしたおかげで体力は回復しました!

以下は後半の4時間(19-41周回)のラップ記録です。

ラップ記録(1-18周回)

休憩後の20周回目のラップは9'07"と回復。再び貯金をせっせと作ります。

走行距離100kmに到達

21周回目で走行距離は100.8kmと100kmに達しました。貯金は2分25秒。平均時速は29.1km/h。

前半の100kmを3時間27分35秒で走り切りました。

つまり100kmを制限時間半分の3時間30分以内で走る暫定目標はクリア。

この時点で7時間で42周回、つまり200km越えは十分射程距離内でした。

計算上では。

現実は。。。

休憩後の疲労回復も束の間、周回を重ねるごとに徐々にペースダウン。再び10分切りを維持することが厳しくなってきました。

それでも、4時間組がフィニッシュする24周回目までは、なんとか10分切りを必死になって続けていました。

しかし。。。

時刻が午後1時を過ぎて、最大グループの4時間組がコースからいなくなってしまうと、一気にペースダウンが加速、25周回目はついに10分43秒と大幅に10分を越えてしまいました。

7時間組しか走っていないコースは、選手もまばらで、空もどんよりと曇っていて、気持ちは陰鬱の極致です。。。

ああ、なんで自分は4時間エンデューロでエントリーしなかったんだろうか。。。?

どうして7時間ソロなんてアホな種目を選んでしまったのか。。。?

仮に4時間ソロだったらここでゴールできて、記録もおそらく25周120kmで決して悪くない記録で終われたのに。。。

しかしすべてはあとの祭り。。。フィニッシュまであと3時間も残っています (T ^ T)

こうなってしまうと例によって意識は悪い方悪い方に向かいます。

膝が痛い

脚が重い

そして。。。神経痛の上腕が痛い

などなど。。。

当然ラップ周回もどんどんスローダウン、ものすごい勢いでこれまでコツコツ溜めた貯金を吐き出していきます。。。

26周目 10分58秒

27周目 11分40秒

28周目 12分07秒

29周目 12分34秒

貯金をすべて吐き出すどころか、猛烈な勢いで借金が増えて、急激に体力消耗してきました。

そして。。。30周目に入った時点で目標の200km完走を完全に断念、とにかく休みたい一心で、エイドステーションに入ることしました。

今度はトイレは空いていたので大きなタイムロスにはなりませんでした。

トイレの近くには地面に大の字になって休んでいる(気絶している?)選手もいます。

ストレッチをして固まった筋肉をほぐします。

そして。。。再び自転車にまたがり出発。タイムロスは5分程度です。

しかし寒い。。。

走っている最中も肌寒いくらいですが、一度止まってしまうと、汗が冷えることもあって、歯がガチガチ震えるほど寒いです。

遠くから2時間組のスタートの号令が聞こえました。

おそらく2時間組の先頭集団がピットの近くを猛スピードで通り過ぎるはずです。

師匠もそのなかにいるはず。

コースに戻ってしばらく走っていると、案の定、猛烈なスピードでメイン集団が通り過ぎてゆきました。

は、はええ。。。

疲労で意識が朦朧としていたこともありますが、あまりに速くて師匠の姿を見つけることはできせんでした。

そういえば2時間組にはゲストの新城選手も出場しているんだっけ。。。

しかし、新城選手はおろか、友人の師匠の姿さえ見つけることができない程、このときは自分のレースのことだけで手一杯で余裕がありませんでした。

前半から中盤まではなんとかペースを維持できて、後半に入ってガクッとペースを落としその後はゾンビ状態。。。

これはまさに先月のウルトラマラソンと同じ展開。。。 (´д`)

目標を失ってそれでもまだ自転車を漕ぎ続けなければならないのは、苦行以外の何物でもありません。。。

ウルトラのときも、100kmを断念して90kmに目標を切り替えました。

なので今回も同じことをやろうと。

200kmを断念して、何キロを目標にしようか?

自転車を漕ぎながら、回らない頭で一生懸命考えます。

真っ先に浮かんだのは、アイアンマンのバイク距離の180kmでした。

180kmということは、38周です。あと8周、距離にすると38.4km。残り時間は2時間弱。

ということは、平均時速20km/hでちょうど180km、さすがに20km/hなら余裕のはず。

では、190kmでは?

頭のなかで計算します。

40周。距離で48km。間に合うための平均時速は。。。24km/h

平均時速24.0km/h!!

ちょうど1周12分00秒ペース!!

直近の28周目(12分07秒)や29周目(12分34秒)のペースでは間に合いませんが、頑張ってペースアップすれば何とか間に合う計算です。

よーーし190km行くぞぉ。。。!!

脚はもう重くて重くて、特に上り坂はもはやアウターギアでは上れず、インナーのローにしないとダメなほどやられていましたが、平地と下りで頑張って踏めば何とかなるはず。

幸いにも、ダンシングをやる脚力も残っています。

アンダーブリッジを通過

残り時間2時間を切って31周目からは、ガチで踏み込みながらGarminの走行距離をずっと睨んで走りました。

31周目 12分53秒

32周目 10分56秒

33周目 11分49秒

34周目 11分03秒

35周目 10分57秒

キツイ自転車でした。。。特に上り坂はあまりにスピードが遅く、ほぼ全選手に追い抜かれました。ママチャリライダーはもちろん、小学生にまで。。。 (´д`)

33周目では、上り坂に差し掛かる直前のギアチェンジが遅れたせいで、チェーン落ちしてしまいました。幸いにもコースの左端を走っていたため、他の選手に迷惑をかけることなく、その場で停止、自転車から降りてチェーンを掛け直しました。タイムロス1分程度。

その後は再びチェーン落ちする危険を避けるため、上り坂は頑張ってアウターのローでフロントのギアチェンジなしで頑張って上りました。

36周目 11分01秒

37周目 10分55秒

38周目 10分53秒

ちなみに180km地点を通過したのが、スタートから6時間37分50秒(2度の休憩分12分を含む)でした。

獲得標高が約1,300mあることを考えると、アイアンマンと同じ180kmを6時間37分50秒で走破したというのは、自分の貧脚にしてはかなりの頑張りだったと思います。

実際、こちらのサイトによると獲得標高1,500mと条件が似ているアイアンマンルイビル(米国ケンタッキー州)2013年の完走者2,300人のバイク平均時間が6時間30分でした。

180kmを越えてからは、ゆっくりとしかし確実に1kmずつ増えてゆく距離計を睨みながら、190kmまでひたすら残りの脚力を振り絞って漕ぎます。。。

そのときでした。

場所はおそらくV字カーブを越えてS字カーブに差し掛かるあたりだったと思います。

コースの右側を2時間組のメイン集団(ざっと20人くらい?)が高速で走り抜けていったときです。

メイン集団の中間くらいで走っていた選手の自転車のハンドルがいきなりバタバタ暴れ出し、制御不能になった瞬間、猛烈な勢いで前のめりに頭から落車するのを目の前で目撃してしまいました。。。!

当然落車した直後の選手も何名かが巻き添えになり落車、気付いた周囲の選手が大声で叫びます。

「落車ーーー!!!」

本当に目と鼻の先で起きた落車事故でした。

自転車の集団落車はテレビでは何度も見たことがあります。今年のツールドフランスでは、時速50kmを越える猛スピードで落車が発生して何十人もの選手が巻き添えになったシーンもありましたが、実際に集団落車を目撃してしまうと、そのショックは測り知れないものがありました。

落車の原因はよくわかりませんが、おそらく前輪が、すぐ前を走る自転車の後輪と接触(いわゆるハスルと言います)だったのではと思います。

その後の経緯は知る由もありませんが、師匠が巻き込まれなかったかどうかが心配でした。

恐ろしい光景を目の当たりにして、自分が走っている競技が如何に危険なものかを改めて思い知らされました。

39周目 10分42秒

心拍も上がり、呼吸も激しくなっているのが自分でもわかります。しばらくドリンクも飲んでいませんが、もはやこのままの状況で全力で突っ走ることしか頭にありませんでした。

残り時間が15分くらいになったときでした。

2時間組で走っていた師匠が後ろから声をかけてきました。

「脚が売り切れました。。。」

表彰台を狙っていた師匠でしたが、どうやら調子が上がらずに入賞をあきらめて流しているようでした。

ああ師匠はあの落車に巻き込まれなかったんだな。。。とぼんやり思ったのを覚えています。

しかしそのときは全く余裕がなく、

「もう少しで190km行けるかも!」

と答えるのが精一杯。

すると師匠は、

「では私がゴールまで引きます!」

といって先を走ってくれました。

が、私とは次元の違う脚力を持つ師匠の姿はあっという間に遥か彼方に見えなくなってしまいました。。。

そして、目標の40周目に突入。

時間を確認すると、残りは13分。ほぼ190km到達は確実です。

この周回でもうこのサーキットの光景ともお別れか、と思いながら、最後の1周を力を緩めることなく全力で漕ぎます。

そして、Garminの表示がついに190kmに達した瞬間、心のなかでガッツポーズをしました。

我ながら良くやった。。。

200kmは行けなかったけれど、全力で勝負を諦めなかった。。。

そして、最後のゴールが近づくと会場のアナウンスが聞こえてきました。

「レース終了まで残りあと2分になりましたー!」

レースのルールで、終了時間前にゴールラインを越えることができれば、時間終了後もコースをもう1周できることになっています。

第1コーナーを抜けて最後のストレートを走ってゴールラインが見えて来ました。

あと30秒。。。

バックストレートを全力で疾走します。気持ちとしてはゴール前のスプリント勝負のように、持てる力をすべて出し切ってゴールに突入。

そして、なんとか終了時間前ギリギリ(たぶん15秒前くらい)でゴールラインを通過しました!

距離計は191kmを表示しています。

ルールどおり、ここからはボーナスともいえる1周回(43周回目)に入ります。

体力的にも精神的にも限界を越えていたので、もはや力走することができません。

ペースを落としてゆっくりと走ります。そして。。。

折角のレースコースだから沢山写真を撮っておこうと、ポイントごとにアクションカムのシャッターを押しながら走りました。

ペアピンコーナー

上り坂

エイドステーション

エイドステーションに立ち寄り、自分の荷物を片付けます。そしてひとつの手荷物にまとめて左手で押さえながら自転車を走らせました。


手荷物を持って帰還


ヘアピン後のストレート

V字コーナー

S字コーナー

アンダーブリッジ

第4コーナー

バックストレート

第3コーナー

ゴール前

ゴール

ゴールではお姉さんがフラッグを振ってくれました。場内アナウンスでは、

「エイドステーションの荷物を抱えて帰ってくる選手もいますねー」

と実況中継されてしまいました。^_^;

誘導係の指示に従って自転車を降ります

エイドステーションで荷物をまとめていたりしたので最後の1周回は13分以上かかってしまいましたが、記録としては、41周、走行距離196.8kmとなりました。

種目:7時間ロードソロ
順位:66位(完走108名中)
男子エイジクラス44-49歳順位:12位(完走20名中)
周回:41(196.8km)
タイム:7時間13分15秒610
平均速度:27.25km/h

無事に帰還

今回のレースは、師匠に決戦ホイール(フルクラムのRed Wind)を借りました。手持ちのFFWDのディープリムより軽くて助かりました。師匠に感謝です。

帰りは予め予約を入れておいた真岡(「もおか」と読みます)にある真岡ビジネスホテルにチェックイン。もてぎからは車で1時間弱です。

真岡ビジネスホテルはシングル1泊朝食付きで5,690円。無料駐車場や大浴場、部屋のWiFiも付いていて非常に良いホテルでした。

夕食は師匠と一緒にホテルから徒歩3分のステーキ・ハンバーグレストラン「ウエストウッド」で、最高に美味しいスペアリブや特製ハンバーグなどご褒美に山盛り食べて祝杯を挙げました。

ウエストウッド

スペシャルハンバーグ


こうして私の初めてのエンデューロは終わりました。

当初の目標に届かなかったことは残念でしたが、それよりこうして無事に帰還できたことを感謝しなければなりません。

特にあの落車を目撃してしまったので。。。

師匠が言うには、今回の別の場所で起きた落車では、頬の骨が剥き出てしまったくらい重度の怪我人がいたそうです。

怖ろしい。。。

不思議なことに、目標の200kmに届かなかった悔しさはほとんど感じることはなく、むしろ190kmを全力で完走できたことで満足度は高いです。

しかしエンデューロという競技はまさにクレイジーな、とんでもないスポーツですね。

これほどまでに過激だとは想像していませんでした。

スピードのスリルもそうですが、文字通り事故の危険性と隣り合わせ、下手をすれば命取りになるという安全な日常生活からは別世界のエクストリーム体験。

こんな過激なスポーツは私のような50目前の妻子持ちの平凡なサラリーマンがやるものではありません。

夜間走行を伴う長距離ブルべも相当過激だと思いましたが、エンデューロの過激度も全く引けを取りません。

またその裏返しですが、エンデューロの過激さは物凄い魅力でもあります。こんなに日常の世界を忘れて没頭できる趣味はなかなかありません。過酷さを知りながら、そして危険を承知で何度も出場してしまう選手(師匠やひらちゃんもそうです)がたくさんいることも良く理解できます。

というわけで、せっかくエンデューロの魅力に接したばかりなのですが、自分にとっては恐らく今回が最後のエンデューロになるでしょう。。。

というか、いつものように家庭内超級山岳から早速禁止令が出されてしまいました ^_^;


大会エントリーリストはこちらです。
2時間ロードソロ 294名
4時間ロードソロ 757名
7時間ロードソロ 136名

リザルトの詳細はこちらです。

Garminの記録はこちらです。

Garminの記録




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コメント

  1. モニオ先輩 エンデューロ無事完走、おめでとうございます!!

    そして、お疲れ様でした!
    モニオ先輩のブログを拝見しているうち、私のほうまで距離感覚が麻痺してきて、

    「モニオ先輩は200kmくらいでは疲れていないのではないか?」

    と思いかねない状態です(苦笑)。

    また新たなるエクストリーム体験のお話を聞かせていただき、まるで異国での
    冒険のお話を聞いているようで興奮いたしました!

    いつもレース後、お疲れであろうのにこうして丁寧にレポートを書いてくださる
    おかげで、私達はまるで自分がその場にいたかのようにレースの様子を愉しむこと
    が出来るのだと感謝の気持ちでいっぱいです。

    また、実際に出場を考えている方にとっても、大変貴重な情報ばかりだと思います。

    しかし、冒頭のコース試走の中にありましたが、本当にいろんな種類の自転車が
    出場しているのですねぇ・・・。私は当然ロードだけなのだと思っていたので、
    大いに驚きました。

    と、なると、選手のレベルも様々ということになろうかと思いますので、そういう
    意味でも少々危険な感じがいたしますねぇ・・・。
    おまけにドラフティングが禁止されていないので、車間距離も詰まりがちですし、
    なんとも恐ろしい限り・・・。
    自分は悪くなくても、経験や意識の低い選手のせいで怪我などすることも大いに
    ありそうです。モニオ先輩が無事でよかったです・・・。

    私が思うだけかもしれませんが、最近、トライアスロンでもそうですが、レース前に
    ほとんど練習もせずに、「ノリで出場してしまいました」的な話を面白おかしく話す
    方や、「無鉄砲な自分」をプラスイメージで語る方が時々いらして、少々不愉快な
    思いになることがございます。

    そんな方々は、競技は自分ひとりが出ているわけではないということを、今一度
    認識していただきたいなぁと思う次第です。

    自分はモニオ先輩ほど厳しい練習に耐えるガッツはございませんが、それでも、
    相応の練習してからレースに臨まなくてはと、モニオ先輩から学びました。

    47ともなると、あちこち痛くなったり、回復が遅かったり、風邪をひいてみたりで
    なかなか練習もはかばかしくありませんが、偉大な先輩に少しでも近づけるように
    これからも精進いたしたいと思います。

    今回も、大変貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

    今後のご活躍を楽しみにいたしております。

    ではでは。

    返信削除
  2. Seiさんこんばんは

    いつもブログ訪問いただきありがとうございます。
    ブログに書くとレースが終わったという実感が沸いてくるのと、頭を空っぽにできるので、習慣になってしまいました。レースに興味のある方に少しでも参考になれば嬉しい限りです。

    ドラフティングがOKのエンデューロは、同じバイクでもトライアスロンレースとは違った環境なので、いろいろ学ぶことも多かったです。もっと事前にしっかり事前調査しておけばよかったのですが。。。

    そんなこともあり、これから出場を考えている方にこのブログが少しでも参考になればと思います。

    実はアイアンマン以来、あまり厳しいトレーニングをしておらずややサボリ気味です(本来怠け症なのもので)。この季節は怪我や風邪にも毎年悩まされています。そういう時は、気分転換に思い切ってトレーニングをすっかり休みにすると意外と直りが早かったりします。

    Seiさんも来シーズンはいよいよ大会デビューでしょうか。寒い季節になりますが、健康にはお気をつけて毎日をお過ごしください。

    では。

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