2015年6月26日金曜日

デヴィッド・リンチの世界~「デューン/砂の惑星」「マルホランド・ドライブ」「ツイン・ピークス」

今年(2015年)は、鬼才デヴィッド・リンチ監督の「デューン/砂の惑星」が日本公開されて30周年になるそうで、8月には30周年を記念して特別版のブルーレイBOXが発売されるそうです。

デヴィッド・リンチ監督といえば、映画が好きな人であればその名前は一度は聞いたことはあると思います。



代表作には、「デューン/砂の惑星」(1984年)のほかに、「エレファント・マン」(1980年)「ブルー・ベルベット」(1986年)「マルホランド・ドライブ」(2001年)、そしてTVシリーズの「ツイン・ピークス」(1990-91年)などがあります。

「インランド・エンパイア」(2006年)以降はメジャーな映画作品を作っていないので、若い世代では知名度が低いかもしれません。

「デューン/砂の惑星」の30周年という節目でもあるので、デヴィッド・リンチ監督の作品、「デューン/砂の惑星」「マルホランド・ドライブ」「ツイン・ピークス」を中心に、以下に感想をまとめてみました。

* 以下ストーリーのネタバレがありますので、映画を観ていない方はご注意ください。


1.「デューン/砂の惑星」

「デューン/砂の惑星」

SFファンであれば有名な、あのフランク・ハーバートのSF小説『デューン』が原作です。そのあまりにマニアックでグロテスクな描写のせいで、興業的には大失敗、良くも悪くもデヴィッド・リンチ監督の名前を後世まで残すこととなった曰くつきの作品です。

SF映画といえば、当時は「スターウォーズ」「2001年宇宙の旅」「エイリアン」といった不滅の名作が人気のなか、「デューン/砂の惑星」は、特撮効果もショボく、胃にもたれるかのような生理的に不快なダークファンタジーになってしまったのが失敗の原因と言われています。

しかし、当時の不評にも関わらず、コアなファンはこの作品を高く評価しています(私もそのひとり)。

ではこの映画の魅力はどこにあるのでしょうか?

映画はまず、無数の星がまばたく宇宙空間に、イルーラン姫(皇帝の娘)の均整の取れた顔がフェードインしてきて、物語の背景を語るところから始まります。ブライアン・イーノが手掛けた幻想的なテーマ曲がバックに流れます。

「デューン/砂の惑星」のオープニング

このオープニングでデヴィッド・リンチワールドにどっぷりと浸ってしまいます。。。

他の作品にも共通するのですが、デヴィッド・リンチは映画の冒頭の描写が天才的にうまいのです。

その後は、一般的な聴衆の期待をことごとく裏切りまくるグロテスクかつ悪趣味な描写が次々と繰り出されます。。。正直子供たちには観せたくないシーンのオンパレード。。。

そんななか、主人公のポール・アトレイデスを演じたカイル・マクラクランは、ルックスも見栄えがして素晴らしい存在感です。彼が父の復讐を誓いフレミン族の救世主として成長していくところがこの映画の最大の見どころです。

"Father! One day the sleeper will awaken."

と夜空に向かって叫ぶシーンは感動的です。すべての人にはその潜在能力を発揮するポテンシャルを持っている、というのは普遍のテーマですね。

しかし改めてこの映画のキャストが物凄い。。。

ポールの父アトレイディス公爵は「Uボート」船長のユルゲン・プロホノフ


カインズ博士は「エクソシスト」他で大名優のマックス・フォン・シドー


ヒロイン役のチャニは「ブレード・ランナー」のショーン・ヤング


公爵の副官ハレックは、「スター・トレック」シリーズのピカード船長のパトリック・スチュワート


そして、ハルコネン男爵の甥フェイドを演じるのは、あのスティング(引き締まった肉体美を披露)


ほかにも名脇役がゾロゾロ。。。

ちなみに音楽はTOTOが手掛けています(オープニングタイトルだけブライアン・イーノ)。スティーブ・ルカサーの泣きのギターがカッコイイです。

映画のCGは大したことないのですが、視覚面ではゴシック調の装飾がこれでもかとばかりに強調された美術は圧倒的な迫力があります。ハリウッドのCGバリバリで無機質な映像に見慣れた眼には新鮮に映ります。

私が最初にこの映画を観たのは、大学入学して間もない頃だったと思います。フランク・ハーバートの原作(ハヤカワSF文庫で4巻の大作)は既に読んだことがあったので、映画のストーリーは知っていましたが、この映画の魅力の原点はやはり原作にあると思います。

時代は10,191年(!)の未来、砂の惑星デューンでしか採掘できないスパイス(香料)の影響を4,000年に渡って受け完全に変態化した航空士(瞬間移動ができる)、ハルコネン家とアトレイディズ家の確執など圧倒的なスケールの広い物語がこの映画に深みを与えていると思います。

原作のファンにはこの映画化は評判が悪いそうですが、個人的にはあの壮大なSF叙事詩をよくぞここまで映像化したものだと思います。

さて、その「デューン/砂の惑星」のパッケージソフトですが、8月にようやく待望のブルーレイが発売されるようです。が、Amazonの予約販売の値段を見てビックリ!30周年記念の特別版のブルーレイBOXが6,233円もの高値では手が出ません。。。

ちなみに米国Amazonでは同じブルーレイ(ただし日本語字幕はありません)がたったの$7.99で売っています。DVD版と比較すると画質も音声も劇的に向上して感激しました。

まず、皇帝が登場する宮殿内の息を呑むような豪華なセッティングが、ブルーレイだと見事に再現されて驚きます。装飾の細部まで拘ったセットに圧倒されます。

音声はDTS MA6.1chでこちらも相当な改善で嬉しい限りです。

また、DVDではカットされていた一部のシーンが新たに加わっています。ハルコネンがモノレールのような乗り物から降りて登場するシーンなどです。

ただいつも思うのですが、BD-Liveは邪魔以外の何物でもありません。。。本編視聴する前にネット接続され、不要な宣伝がジャンジャン、いつまで経っても本編始まりません。そのたびにリモコン操作を強要されるという。。。さすがハリウッドですね(笑)

DVD版のほうは、以前から数種類がリリースされています。

デューン 砂の惑星 [HDリマスター版] DVD

このHDリマスター版の画質はなかなか良いです。字幕も16:9の画面に埋め込まれているのでワイド画面の恩恵を受けて観ることができます。音質もサラウンドが入っています。

デューン/砂の惑星 TV放映長尺版 DVD

こちらのDVDは、画質的には上記HDリマスターに劣りますが、劇場未公開の貴重なTV放映長尺版が収められています。日本語版も入っていますがオリジナルの英語版も選択できます。冒頭の背景説明が紙芝居なのが笑えます。長尺版は一部貴重なシーン(ポールはフレミンに捕えられた直後、部族代表との決闘に勝ってリーダーの座に迎えられる)があるものの、全体的には冗長で、私は劇場公開版の短いバージョンで良いのではないかと思います。

2.「マルホランド・ドライブ」

「マルホランド・ドライブ」

これまでに観た映画の生涯ベストは何か?と聞かれれば、迷いなく、デヴィッド・リンチ監督の「マルホランド・ドライブ」と答えます。

最初に観たときは、ストーリーに全く追い付けず、不可解なシーンのオンパレードでいったいなんのコッチャ状態でした。だいたいオープニングからして場違いなジルバの音楽で始まり全然ワクワクさせられません。。。(あとからこのオープニングも重要な意味を持つことを知るのですが)

ただ映画全体が放つ独特の妖艶な雰囲気(これぞデヴィッド・リンチワールドです)に心を奪われてしまい、強烈な印象が残りました。

その後何度か観ているうちに、なんとなく背景が理解できるようになります。それでも解釈に自信がなく、不可解なシーンの多くは謎のままです。

そこで、ここからはネットの解説に頼ることになります。「マルホランド・ドライブ」の謎解きサイトはいくつかあるようです(例えばこのサイトです)。

すると。。。

これまで不可解だったシーンに実は深い意味が隠されていることがわかり、まるでジグソーパズルが組み上がるように、頭のなかですべてのシーンが有機的に結び付き出します。

すると同時に、この映画のテーマである、主人公の愛と憎しみ、人生が決して望み通りに行かないことの無常感、無念さといった感情に圧倒され、涙が出てきます。。。

平たく言ってしまえば、この映画は、ハリウッドで挫折した田舎出の女優が、妬みからかつての愛人(成功してスターになった)を殺し屋を雇って命を奪ったものの、両親の呵責に耐えかねて最後には自殺するまでの回想録(ほとんどは彼女が眠っている間に見た夢の話)です。

また、この映画は、普段の生活では封印して決して表に出て来ない底なしの恐怖というものを剥き出しにしてしまいます。

冒頭の自動車事故のあと、リタが見降ろすロサンゼルス市街の美しい街灯の光景ですが、ここにこの映画のすべてが象徴されているような気がします。

表向きは美しいが、その裏には欲望の渦巻くドロドロとして怖ろしいものが潜んでいる恐怖。。。表向きは華やかなハリウッドの世界、その裏で配役争いを巡る熾烈な競争、汚い手段、犯罪。。。リンチはこういったものを映画を通して訴えたかったのではないかと思います。

映画のなかでオーディションでカミーラ・ローズが歌う I've Told Every Little Starは、60年代のオールディーズの無垢なラブソングであるにも関わらず、このシーンで使われると、背筋が寒くなるほど怖ろしい歌に変貌してしまい頭から離れません。。。(( ;゚Д゚))

I've Told Every Little Star

次のこのシーンも強烈です。これはダイアン(ブレイク前のナオミ・ワッツが好演)とリタが夜中にロス市街のナイトクラブ(クラブ・シレンシオ)を訪ねるシーンですが、その雰囲気はまさにデヴィッド・リンチワールド!

カメラがナイトクラブの入り口に近づくカメラワークは、それが人間の視点ではなく、何か地を這う生き物の視点で迫るところが空恐ろしい。。。

No Ai Banda! (ここに楽団はいない!)と凄むステージ上の男と、それを証明するかのような奏者の空演奏。陰影なサウンドもさることながら、続く「泣き女」のバラードLlorandoは真に心に響きます。

Llorando

真っ赤なシルクで覆われたステージは、「ツイン・ピークス」のThe Black Lodge(後述)に通じるものがあります。

ほかにも、怪しい老夫婦、カウボーイの男、ウィンキーズ(ダイナー)の裏に棲む浮浪者、電話口の会社重役、ドジな殺し屋、などなど。。。

最初は意味不明だった登場人物それぞれが、実は深い存在意義があることがわかってくるのです。

しかし、デヴィッド・リンチ監督は、明確な解答を出さず、すべて観る者の解釈に委ねています。つまりこの映画の解釈は人それぞれであると。。。

このような映画鑑賞体験は衝撃的でした。

もう何十回と観ていますが、そのたびに新しい発見と感動があります。まだ理解できないところも残っています。いくつかの異なった解釈ができるシーンもあります(例えば、老夫婦は田舎の両親で、ダイアンは性的虐待を受けていたという解釈に対し、老夫婦は一般世間の聴衆を象徴しているという解釈など)。

映画を観ながらストーリーの解釈などまっぴらという人も多いと思います。「マルホランド・ドライブ」の素晴らしいところは、そのような「ながら見」でも映画全体に漂う雰囲気を十分堪能できるところにあります。例えて言えば、名画鑑賞に似ています。本当に素晴らしい名画は、その制作背景やテーマを知らなくても十分楽しめるのと同じです。

その「マルホランド・ドライブ」のパッケージソフトですが、ブルーレイ版がリリースされています。ただし国内版のブルーレイはDVDからの画質向上は限定的なようです。海外版のブルーレイはマスタリングが違うのか、こちらのほうが画質が良いような気がします(ただしamazon.comで販売している海外版は格安な半面、英語の字幕さえ入っていません)。



3.「ツイン・ピークス」

「ツイン・ピークス」

「誰がローラ・パーマーを殺したのか?」という謎解きで全米のお茶の間を熱中にさせた90年代のTVシリーズです。全30話。ファーストシーズンの視聴率が21.7%と世界で大ブームを巻き起こしました(国内でもWOWOWなどで放映)。

主人公は殺人事件発生で派遣されてきたFBI特別捜査官のデイル・クーパーで、「デューン/砂の惑星」と同じくカイル・マクラクランが好演しています。

シアトル郊外の街「ツイン・ピークス」を舞台に、一見平穏な生活を送る人々のなかの、複雑な人間関係、不倫、恐喝、売春などを鋭く浮き彫りにしたドラマで、学園のミスコン優勝者ローラ・パーマーを誰が殺したかという謎解きもさることながら、森林に潜む超常現象や究極の善悪の対決といったテーマも奥が深く興味が尽きません。

登場人物も実に多彩です。TVシリーズなので日本で有名な俳優は出ていませんが、デヴィッド・リンチお気に入りの個性的な俳優陣が揃って出演しています。

ちなみにデヴィッド・リンチは女優に美女を起用することが多いのですが、「ツイン・ピークス」には美人女優が次々に登場します。第1話で死体で登場するローラ・パーマー(シェリル・リー)、そしてローラの親友ドナ・ヘイワード(ララ・フリン・ボイル)、ホーン産業ご令嬢のオードリー・ホーン(シェリリン・フェン)、ダイナーのウェイトレスのシェリー・ジョンソン(メッチェン・アミック)、ダイナーのオーナーのノーマ・ジェニングス(ペギー・リプトン)、などなど。。。セカンドシーズンでは若き日のヘザー・グラハムまで出演しています。

主な登場人物(ファーストシーズン) WOWOWのサイトより

主な登場人物(セカンドトシーズン) WOWOWのサイトより

「ツイン・ピークス」全シリーズを観たのはもうずいぶん前のことなので、記憶もあいまいな部分が多いのですが、それでも当時の衝撃は良く覚えています。

ストーリーは極めて複雑、謎が謎を呼び、登場人物の全員がローラ殺しの犯人に思えてきてしまいます。というかどうしてこんな変な人物ばかりいるのでしょうか、このツインピークスという街には。。。 (´д`)

とにかく一度観始めると止めることができない、禁断症状に陥ってしまうという不思議な魅力が「ツイン・ピークス」には詰まっています。

ではどこがそんなに面白いのでしょうか?

個人的には、ドロドロとした人間関係と現代社会の病巣と、北米という厳しい大自然の環境が、超常現象や人知を超えた悪という存在を通して結び付いているところが面白いと思います。

ローラを殺した真犯人が、半狂乱になって嘆き悲しむ実の父親であったという衝撃的な事実もビックリでしたが、売春・暴行・近親相姦という目を逸らしたくなるような犯罪が日常に潜んでいるという恐怖と、人間を悪行に走らせる超常的な力の存在というものが、The Black Lodgeという異次元世界への物理的な入り口を介して繋がっているという発想は、例えて言えば、異次元宇宙とブラックホールの関係に良く似ていると思います。

「ツイン・ピークス」には、そのような科学的な部分と、科学を越えた宗教的なテーマが混ざって人間社会を痛烈に批判しているところがあります。

シリーズの最終章ではFBI特別捜査官のデイル・クーパー自身がその罠にはまってしまい、発狂してエンディングを迎えます(と解釈しました)。

ちなみに昨年、この「ツイン・ピークス」の新シリーズが2016年にアメリカのTV局で放映されるという信じ難いニュースが流れました。実現すれば25年ぶりに新シリーズが始まることになります。新シリーズは全9話で構成され、当初はリンチとフロストが全話の脚本とプロデュースを担当、リンチが監督を務めるはずでしたが、今年の4月になってリンチが制作から降板したことが報じられ、ファンをがっかりさせました。一体どうなってしまうのでしょうか。。。

「ツイン・ピークス」のパッケージソフトですが、待望のブルーレイBOX(10枚組)が昨年リリースされています。
「ツイン・ピークス」ブルーレイBOX

国内版はリンチ監修日本版オリジナルTシャツ付と豪華仕様ですが、海外版(日本語字幕付き)よりもかなり割高なようです。いつもながらブルーレイの内外価格差はどうにかならないものでしょうか。。。

4.その他の代表作

デヴィッド・リンチ監督のその他の代表作としては、「エレファント・マン」「イレイザー・ヘッド」「ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間」「ロスト・ハイウェイ」「インランド・エンパイア」などが
挙げられます。

それぞれの作品にコメントしたいことがあるのですが、ここでは「インランド・エンパイア」を取り上げたいと思います。


「インランド・エンパイア」

「インランド・エンパイア」が発表されたのが2006年、それ以降デヴィッド・リンチはメジャーな映画を制作していません。

「マルホランド・ドライブ」も難解な映画でしたが、「インランド・エンパイア」の難解度はその比ではありません。たぶん一生わからないと思います。ストーリーは、4つの世界(それとも5つか?)が同時並行的に進行します。

ハリウッドの女優ニッキーの実生活、ニッキーが演じる映画の役柄、ポーランドのロスト・ガール、そして謎のウサギ人間、これらが時系列もバラバラに次から次へと現れるのだから、ストーリーを理解しろというほうが無理ですね(笑)

タイトルの「インランド・エンパイア」とは、カリフォルニア州南部の郊外地区を指す言葉です。映画のなかでもマフィア風の男が「彼はインランド・エンパイアだとか何とか言って消えた」と話すシーンがありますが、映画自体の舞台がインランド・エンパイア地区というわけではないようです。

不穏な音楽とともにタイトルが不気味に現れるオープニングは絶大なインパクトがあります。もうこれだけでデヴィッド・リンチワールドにどっぷり浸れます。

「インランド・エンパイア」 のオープニング

例によって「謎解き」のサイトは沢山あり、いろいろな解釈が施されていますが、どれが正解というのはなく、あくまで観る側の感性に委ねられているところがこの作品のスゴイところだと思います。

ちなみに私の解釈は、「ある女優(ニッキー)が役柄に没頭するあまり、現実と仮想の区別がつかなくなってしまい、精神的に崩壊する過程を、オリジナル映画の主演をやったロストガール(撮影中に殺された)本人の視点から観た映画」ではないかと思います。

ウサギ人間との関係や、ニッキーの公私の境や、たびたび現れる娼婦などがどういう関係なのかは何度見てもサッパリなのですが、2007年度全米批評家協会の実験的映画賞を受賞したということから推測するに、脚本は怖ろしく手の込んだつくりになっているのではと思います。

主役のニッキーを演じたローラ・ダーンはまさに怪演、決して美人でもない彼女のアップが延々と3時間以上も続くので、正直辛いものがありますが、おそらく一生かけても解けない謎の映画ということでリピートして観る価値は高いのではないかと思います。

ちなみにローラ・ダーンはリンチ作品の常連で、過去には「ブルーベルベット」や「ワイルドアットハート」で主役級で出演しています。往年の若さからすると明らかに年を取って中年に差し掛かり、若さでは勝負できない年齢というのは、この映画の俳優ニッキーと共通するものがあり、そういう意味ではまさに迫真の演技となっているわけです。

最後のほうに登場する裕木奈江もなかなかの味を出しています。たどたどしい英語がまたリアルです。結構長いセリフを任されているのですが、キレイな女友達が体を売って身もボロボロで見舞いに行くのにバスがどうしたこうしたと会話はメチャクチャ、それを腹にドライバーをぶっ刺されて瀕死のニッキーが「はあ?あんた一体何話してんの?」というすっとボケた表情でずっと聞いているという実にシュールな場面です。

私はストーリーの解釈は最初から放棄して、映画の雰囲気だけを楽しんで観てきましたが、こちらのサイトのように、「インランドエンパイアを観た」というブログを1年以上に渡って100回以上も投稿を重ねている方もいます。

いやはや、デヴィッド・リンチは奥が深い、というか、一度その世界にハマッてしまうと抜け出すのは困難です。。。

(2015.07.05 追記)

デヴィッド・リンチの世界(その2)~「ブルー・ベルベット」「ワイルド・アット・ハート」「ロスト・ハイウェイ」を投稿しました。

(2015.07.11 追記)

デヴィッド・リンチの世界(その3)~「イレイザー・ヘッド」「エレファント・マン」「ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間」を投稿しました。


(おわり)












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