2015年3月10日火曜日

400kmのブルベ(BRM307石廊崎)を完走しました(後編)

前回の日記(前編はこちらです)は折り返し地点の石廊崎までを記しました。
後編は、その後無事に東京に制限時間内に戻るまでの一部始終です。

前半(往路)を振り返ると、思わぬアクシデントや装備トラブルなどで余計な時間を費やしてしまったのは反省点だったものの、何とか無事に石廊崎まで辿り着き、貯金も30分近く残っているし、厳寒対策もバッチリで腕の神経痛もなんとか我慢できそう、脚もまだ残っていると予想以上に順調だったと思っていました。。。

往復400kmの走路です

9.北風

さて、復路は往路とほぼ同じルートなので、もうコースをミスしたりすることもなく、どこらへんがきついかという記憶も残っているので、あとは不測の事態(パンクとか落車とか)さえ起こさないように慎重に行こうと考えていました。

石廊崎を出てしばらくすると、石廊崎方面に向かっているブルベの仲間らしき自転車を見かけました。ベルをチリンと鳴らしてご挨拶 ^_^

そのあと石廊崎に向かって走る自転車を見かけることはありませんでした。

しばらく行くと本日3番目のチェックポイント(セブンイレブン弓ヶ浜店)に到着。時刻は20:03。CLOSEが20:32なので前の石廊崎とぴったり同じ29分の貯金です。

店の前にはブルベの人が休息されています。

「お疲れさまです」(私)
「あ、お疲れさまです。今日はずっと北風でしたね。」
「そうなんですね。。。」(私)
「これからもずっと北風は止まない予報なので。。。」
「。。。。(´д`)」(私)

恥ずかしながら、風の強さには苦しめられながら、風向き予報など何も考えていなかった私は、このブルベの人の話を聞いて初めてこれからが大変そうだということを知ったのでした。

いやーな予感が。。。

とにかくコンビニではレモンティーだけ買って、外に出てこれからの長い長い復路に備えて準備を始めました。

まず、iPhoneの充電ケーブルが接触不良を起こしていたので交換、そして補助バッテリーも交換、チェーンのオイル注し、痛み止め投薬、などなど。。。

おまじないを唱えながら要領良く進めたつもりでしたが、結構時間がかかってしまいました。。。

さあ!これで再び次のチェックポイントまでの長旅の出発(ちなみに次のチェックポイントまでは75kmと相当遠い)。キューシート上はたったの数行なのですが、実際は相当距離があります。

下田駅前を通り過ぎ、再び山岳級のアップダウンの続く国道135号線をひたすらに北上します。。。

10.月の灯り

ずっとドリンクがスポーツ飲料だったせいもあり、レモンティーはとても美味しく感じました。補助バッテリーとケーブルも交換したので、iPhone充電中のグリーンのインジケータがぼんやりと光っていて安心感を与えてくれます。

そんななか、時折行き交う車のヘッドライト以外は暗闇のなかを「闇のなかを縫う」ように進んでいきます。自転車の「シャーッ」という音以外は何も存在しない静寂と闇の世界。。。

曇り空のなかに月明かりのシルエットがぼんやりと浮かび上がっていますが、雲が厚く、十分な光は道には届きません。

幻想的な夜でした。。。

そんななか、早速トラブルが発生!

何気なくiPhoneの電源を入れて画面を確認すると、なんと、順調だと思っていたiPhoneの充電がされていないどころか、充電不足の赤いランプに変わっているではないですか!

ええーー!!さっき新しいケーブルと補助バッテリーに変えたばかりじゃないか。。。いったいどうして。。。

iPhoneがないとナビ機能が使えなく、この暗闇のなか、キューシートだけを確認しながら進むのはほぼ不可能。なせなら私はヘルメットには前照灯をつけていない(出発直前のチェックで不要と判断して持って来なかった)からです。

順調だったはずの復路がまずいことに。。。

再び自転車を止めてあれこれ試すも、iPhoneは、「ブブー!!(振動音)このアクセサリはサポートされていません」と無情にも表示されるのを繰り返すだけ。。。

ただ接続ケーブルを抜き挿しして充電ボタンを押すと、しばらくの間は充電されることが判明。

で、その後どう対処したかと言うと。。。

夜道を走行しながら、右手のグローブ(厚手のスキーグローブ)のベルクロを口でガリガリと開いて、グローブの指を歯で噛みながらそのまま口で咥えつつ、脱いだ手で補助バッテリーの極小ボタンを3秒押して充電モードに切り換える、済んだら同じ動作の逆をしてグローブをはめるという操作を繰り返しました。何度も何度も。。。

昔TVで観た「スチュワーデス物語」の片平なぎさを地で行く(ちょっと古いか?)感じです。(´д`)

悪戦苦闘しているうちに、トラブルは次々と増えていきます。。。

今度は、2台の前照灯があろうことか同時に光量が弱まってきてしまいました!どこかのタイミングで電池の交換は想定内でしたが、まさかこんな早いタイミングにとは。。。(( ;゚Д゚))

対向車が来ない限り真っ暗闇のなかを走っているので、前照灯がなくなると大変困った状態になるのは明らかです。

もちろん、自転車を止めて電池交換の作業をすれば問題解決なのですが、そんな交換作業ができる明るい場所などありません。。。ライトの作業に必要なライトがないというもの皮肉な話ですが。。。

結局最寄のコンビニまで頑張ることにしました。しかしここから何キロ先にあるのか、コンビニの検索なんかiPhoneでやってる場合でもないのは明らか。。。そもそもiPhoneそのものがバッテリー喪失の危機だというのに。。。

いよいよ暗くなってゆく前照灯とともに、脚力と気力のほうも徐々に減ってきます。。。

このあたりは坂のアップダウンが激しく、きつい上り坂が続いたあとには必ず長い下り坂が待っています。街灯もないため、対向車が来ないと何も見えません。。。良く目を凝らすとセンターラインの白線だけはおぼろげながら確認できますが。。。

月の灯りがあれば。。。

そう願いましたが、厚い雲に覆われてもう月の位置さえわからなくなってしまいました。

11.幻覚?

そんなときでした。

上り坂の先、進行方向の先の暗闇のなかに何やらぼんやりとしたものが。。。

なんだーありゃ?

最初、何かオレンジ色の物体だと思ったのですが、オレンジの合羽を羽織った巨人がゆっくりと道を横切っているように見え、危険を感じて体が緊張しました。。。!

だんだん近づいてくると、それは道路脇の傾斜したコンクリート壁が、傾斜した角度のせいで、縦に細長い部分だけどこかの漏れ光が反射していただけでした。。。

なーんだびっくりさせやがって。。。

当たり前ですが、きつい上り坂と長い下り坂が交互に現れるのは行きとまったく同じです。私は上り坂のスピードはとっても遅いのですが、上りきる前に脚をついて休んだことは(少なくとも今までの記憶では)一度もありませんでした。

ところが、復路では、ここでついに脚が完全に動かなくなり、ビンディングを外して休んでしまいました。上り坂の途中に自動販売機があって、「もうここで休もう」と心が折れてしまったのです。

幻覚や変なものが見え出したら休めということで、このタイミングで休みを取ったのは賢明だったかもしれません。缶ジュースを飲んだら一息つけたのでまた力が湧いて来ました。

幻覚らしきものを見たのはそれが最後でした。

12.再び川奈

そして川奈に戻ってきました。。。あのきつかった川奈に。。。

城ヶ崎入口の信号から先は往路とは違い135号線を直進でした。

キューシートには赤字で「ここから#64まで伊豆高原300とは異なる」と注意書きが記してあります。

実は私は往路と違うことは覚えていたのですが、どう違うのかちゃんと把握していませんでした。iPhoneのナビで確認すればいいか程度で。。。

なので、iPhoneの画面が見れない状況となって、一体どこから道が違うのか、頼りにしたのは唯一道路標識だけでした。記憶違いかもしれないのですが、ところどころに135号線という青い標識が上に出ていたような。。。とにかく135号線を走る限りは(万一コースミスしたとしても)方向は間違いないだろうと思いました。

そして前照灯はと言うと。。。蛍の光よりは明るく、「灯火」、はしていました。(( ;゚Д゚))

書き忘れましたが、この時点で既にSUUNTOの腕時計はなぜか走行距離236kmで計測がストップしてしまい、走行距離や時間、心拍数は計測できなくなっていました。

あとで確認したところ、どうやらSUUNTOのcyclingモードでは、計測時間が20時間00分00秒を超えると記録が自動的に停止する仕様だったようです。外付けのGPSポッドはそのはるか以前に電池寿命で役目を終えていました。私のレース用腕時計はブルベに耐える仕様ではなかったようです。。。

このあとはサイコン(サイクルコンピュータ)だけが頼りです。。。

かなり厳しい坂を上ったあとでした。突然道路が下りになり、トンネルに入ったのです。急な下りトンネルのダウンヒルを自動車並みのスピードで飛ばしました。

話を戻すと、トンネルを出てまだ続く下り坂は、行きにコースミスをして無駄に上った場所と同じでした。。。こうして再び行きと同じ道に復帰しました。ここまでで累積276.6km。あと25km走ればPC4のセブンイレブンです。。。

13.すべてはここから

iPhoneの外部補助電源も交換、バッテリー表示も赤から緑に戻ってくれました。いちばんきつい川奈も通り過ぎて、ようやく熱海まで戻るのももうすぐ。。。と心のなかでは安心感が拡がってきました。

でも本当のブルベの過酷さはここからでした。。。(( ;゚Д゚))

PC4のセブンイレブン熱海下多賀店のCLOSE時間が夜中の1:28であることはずっと記憶していたので、逆算するとだいたい1:00前後には到着すると読んでいました。

川奈を越えてしばらく海岸沿いの道を進むと、左にカーブが続き、その先の遠くに見える半島の沿岸部に都市の明かりが。。。

「ヤッター!!!熱海に戻ってきたぞ!熱海バンザイ!!大好きだ!!!」

熱海のチェックポイントはもうすぐと思うと大喜びです。熱海の明かりは綺麗だなぁ。。。とぼんやりと見とれていました。

ところが何だか様子が変なのです。。。

様子が変なのは、自転車でも身体でもなく、熱海の街がおかしい。。。行きに立ち寄った懐かしの熱海サンビーチが見当たらない。。。おかしいな。。。道を間違えたかな。。。

その街が熱海ではなく「伊東」だったと気付いたのは、街の中心地を抜けていくときでした。。。思い込みというのはホント恐ろしいものです。確かにコンビニ探すのに夢中で看板など注意して見ていなかったのですが。。。(´д`)

後日、地図で比較してみたところ、二つの都市の海岸線はとても形状が似ていることがわかりました。

伊東

熱海

真夜中に南から北上してきて港が見える場所から沿岸を見ると、なんだかとても良く似ていませんか。。間違えたのも仕方ない程に。。。?

まあそれより川奈から北上して熱海の前にまず伊東を通るということなら誰でもわかることなのですが。。。

言い訳はともかく、そこが熱海でなかったことに失望し、熱海は一体あとどれくらいなのかと焦燥感一杯になりました。

というのも、PC4のCLOSE時刻が午前01:28に対して、その頃の時間は到着予定時刻の午前1:00が迫っていたのです。。。!

このままでは次のCLOSEに間に合わないかもしれない。。。!

このブルベ行程上、初めてブルベ失格の恐怖を感じた瞬間でした。。。

そこからのスピードアップはもう死に物狂いでした。もはやバッテリーがどうのこうのとか、ライトがとか、脚が疲れるなんて悠長なことを考えている場合ではなくなりました。

熱海のPC4に到着するまではガチ踏みでスピードを上げ続けるしかありません。真夜中で気温も相当低かったと思いますが、ダウンジャケットは腰にひっかけたまま、ウィンドブレーカーも前を全開にしても汗がにじみます。。。額には脂汗も。。。

思い出しましたがこのあたりから再び雨が本格的に降り始めました。

伊東から熱海の区間は交通量もぐっと多くなり、トンネルもいくつか通ります。車は当然猛スピードで走っているので、トンネル内はそのこだまする音でこの世のものとは思えない唸り音が耳をつんざきます。。。長いトンネルだと車の姿が現れる前からそのとんでもない轟音が聴こえてくるのです。

トンネル内の轟音には精神的に本当に参りました。。。

そして。。。やっとの思いで4番目のチェックポイント(セブンイレブン熱海下多賀店)に到着。時刻は01:17。CLOSEが01:28なので貯金は一気に減り残りわずか11分しかありません。。。

本当はカツカレーが食べたかったのですが、時間に余裕がなく断念。代わりに一口で食べられるロースカツサンドとそれを流し込むココアを買って瞬間で食事は終了。予定していた前照灯の電池交換も何もせずキューシートの確認だけ済ませて自転車にまたがります。。。

ここまでの累積距離は291.9km。残りは約110kmです。

14.正念場

ここから次のPC5(ファミリーマート鍛冶ヶ谷2丁目店)までの73.4kmで、すべてが決まるということは明らかでした。

CLOSEの06:20に間に合わなければすべてはそこでおしまい。

逆に間に合えば完走はまず間違いなし(PC5からゴールまでは一番余裕のある区間なので)

腕時計とiPhoneはもう役に立たないので、自転車のサイコンだけを頼りに、朦朧とした頭で計算します。。。ブルベは基本時速15kmで進めばゴールできる。1時間ごとに15km進んだかをチェックすれば良いはずだ、と。

気持ちはパニック状態で、今更ですがいろいろなことが悔やまれます。

あんなにスナップ写真を撮っている場合じゃなかった。。。
iPhoneなんかに気を取られている場合じゃなかった。。。
平地でもっと高速巡航しておけばよかった。。。

今更後悔しても何にもなりませんが、こういう事態を招いたのはすべて自分のせいです。しかし後悔先に立たず。。。

出発して20時間が経過、夜中の2時になろうとしているのに眠気など無縁の状態です。。。ちゃんと準備した仮眠3点セット(空気まくら、アイマスク、耳栓)の出番はなかったどころか、BLACKの眠気覚ましのガムさえ要りませんでした。。。

それより焦り絶望感いっぱいのなか、なるべく脚がまだ動く間に貯金を作ろうと必死になって漕ぎ続けます。。。

1時間経過しました。

場所はたぶん真鶴の手前あたりでしょうか。。。サイコンをチェックして愕然としました。

なんと。。。

あれだけ頑張って漕いだにも関わらず、1時間で15kmポッキリしか進んでいません。

貯金はゼロ

やばいぞやばいぞやばいぞ (( ;゚Д゚))

そしてやがてルート真鶴の山林コースに。。。再び暗闇のなかをアップダウンの世界です。。。

この区間覚えているのは、

ダウンヒルを神経を極限まで張り詰めて走ったこと



おぼろげに浮かび上がるセンターライン



どこかで前照灯の電池交換をしたこと

だけです。

そうそう、車専用の有料道路「真鶴道路」に入ってしまいました。間違って。。。ほんの数メートルでしたが。

この地点でちょうど走行距離300km。

真鶴を超えて小田原に入ると、もうアップダウンはないのでだいぶ気持ち的にも楽になりました。ライトも明るいし。。。

あとは早く海岸沿いの134号線に出て、平坦な道をぶっ飛ばして挽回するというのが作戦でした、が。。。

いやいやそうは問屋が卸しません。。。そう簡単には。。。(( ;゚Д゚))

小田原から大磯方面へ向かう国道1号線は、終始緩やかな上り坂なのですが、

強風 (( ;゚Д゚))

向かい風 (( ;゚Д゚))

突風 (( ;゚Д゚))

風がビュウビュウと吹きすさぶ音が支配する世界。。。すべての気象条件が自転車の行く手を阻むような感じでした。

ここで私と同様もがき苦しんでいるライダーさん数人に追い付きました。

明らかにペースが遅く、私と同じくらい辛そうです。。。

「お疲れさまです。。。」

声をかけて先を行かせてもらいます。

道はほぼ直線、時折緩やかな下り坂になりますが、気分的にはずっと緩やかな上りが続く感じです。

真夜中で交通量もほとんど少なく、信号にもほとんどひっかからずに進みます(というか強引に進みました)。

いいんだ、時速15kmで。

この向かい風ではどうにもならないじゃないか。平塚から挽回してやろう。。。。

そして、やがて、勝負場所の134号線に出ました。。。

路肩も広く、直線の平坦なコースです。何度も通ったことのある馴染みのコースです。

作戦ではここから時速25-30kmで江の島まで巡航していく予定でした。

そうすれば間違いなく間に合うだろうと。

でも実際は。。。ここまで酷使した脚と体にはもはや時速25kmはおろか、時速15kmの維持さえおぼつかない状況にまで悪化していたのでした。。。

風は相変わらず強いものの、平坦なコースを時速15kmが出せない。。。ほんの一瞬でも力を抜くとサイコン表示は15kmを割ってしまいます。こんなヘタレ具合は自転車乗って初めて。。。もう。。。これ以上。。。力が出せません。。。

(( ;゚Д゚)) (( ;゚Д゚)) (( ;゚Д゚))

この時点で、リタイヤをほぼ覚悟しました。

頭のなかをいろいろな思いがよぎります。

いろいろあったけど往路は楽しかったなぁ~

とか

400kmダメだったらもうブルベは出ない決心だったな、これが最後かぁ。。。

とか

350km走れただけでも自己最長距離だよなぁ~

とか

とにかくタイムオーバーになってもゴール地点までは頑張って自転車こぐかな。。。

とかいろいろなことです。

15.奇跡のミニ羊羹

前編を読んでいただいた方は、私が昼に立ち寄った南熱海のコンビニで、ミニ羊羹を2個買ったことを覚えているかもしれません。

ミニ羊羹は、以前からマラソンやロングライドのときには携行する個人的にお気に入りのエネルギー源でした。

そのミニ羊羹を2個買ったのは、昨日の昼過ぎの出来事なので、ほとんど忘れかけていました。

リタイヤを覚悟してぼんやり走りながら、その羊羹のことを思い出したのです。

途中で食べた記憶はあるけど、もしかしたらまだ1個残っているんでは。。。

余計なものを詰め込んだジャケットのポケットを右左とまさぐってみると、果たして、細長い硬い棒の感触がありました。

ミニ羊羹残ってた!

スピードダウンの原因は、強烈な向かい風だったのですが、時間を急ぐあまり、途中のPCでろくに補給をしていなかったせいか、ハンガーノック(エネルギー不足で体が動かなくなる症状)気味になっていたのもあったのかもしれません。

かといってミニ羊羹を摂取したところでいきなりハンガーノックが回復することも期待できません。

とにもかくにも、自転車を降りて、照明灯の下で、ミニ羊羹を一気に口にほうばりました。

羊羹うまい。。。

涙が出るほど美味しい羊羹でした。コンビニという超便利はシステムを整備してくれた現代社会に感謝です。。。

そして。。。なんだか力が体の奥から沸き上がってきました。

再び自転車を漕ぎだしたときには、これまでの向かい風が収まってきたような気までしてきました。

そして、いつからかしっかりと固定して外れなくなったビンディングペダルで、アップぺダリング(いわゆるひき足)を開始したのです。なんとなく。。。

大腿四頭筋とそのまわりの筋肉は、酷使しきってもはや動かなかったのですが、腿裏と臀部の筋肉はアップペダリングでまだまだ残っていることがわかったのです。。。!

それがわかってからは、ほぼすべての推進力はアップペダリングだけで済ませるように漕ぎました。しまいには両足の踵が靴ずれの痛みが出る程に。。。

アップアップアップアップ。。。

こうして平塚を超えて茅ヶ崎、藤沢と徐々にスピードを上げて順調に時速20-25kmくらいをキープして進んでゆきます。

江の島まであと14km, 12km, 10kmの看板とずっとにらめっこ。

スピードキープできてます。。。

そして、ついに江の島左折のモノレール高架下まで辿り着きました!!!

やったぞ!!!乗り越えた!!!

偶然残っていたミニ羊羹に助けられて、幸運にも、私はこの時点で逆に完走を確信しました。

16.夜明け

江の島左折からの通称ボーナスコース(という名のモノレール高架下の激しいアップダウン)は、1月の200kmブルベと同じだったので、経験済みでした。

伊豆の無限に続くと感じる上り坂に比べれば、こちらの坂はやがて終了する場所がなんとなく覚えているので精神的には楽でした。

ただ、後半脚が疲れ切った場所から始まるので、辛いと言えば結構辛いことに変わりはありませんが。(´д`)

サイコンの時計を確認しながら、このまま行けばCLOSEの06:20には確実に間に合うだろうと予想できました。

そして無事モノレールのアップダウン区間を終了して、国道に出た頃、あたりが薄明るくなってきました。

5番目の最後のチェックポイント(ファミリーマート鍛冶ヶ谷2丁目店)に到着。時刻は05:51。CLOSEが06:20なので貯金は一気に29分に増えました。距離は365.3km。

ずっと何か食べたいと思っていたので、時間もあることだし思い切って暖かいうどんを食べることにしました。

で、レジで会計済ませてポッドで熱湯を注ごうとしたときに、

あれ。。?

うどんではなくソバのほうを間違って選んでしまったようです。。。うどんが食べたかったのに。。。。!

しかしもう時遅し。。。ソバは食欲がどうしても沸かず、スープだけすすって結局ほとんど捨ててしまいました (´д`)

なにやってんだか。。。

そういえばチェックポイントでは必ず写真を撮っていたのに、復路はPC3, PC4, PC5の写真すべて撮り忘れました。余裕なかったんですね。。。(´д`)

さてそろそろ、あまり余裕出してゴール間に合わなかったらシャレにならないので、東京向けて出発することに。

外はすっかり明るくなっていました。

17.帰還

ゴールのCLOSEが9:00AMなので、残り約40km弱を2時間50分ほどで行けばよい計算で余裕があります。ただしここで不測の事態(パンクなど)が起きると一気に状況が変わってしまうので油断は大敵です。

さすがに400kmも走るとサーベロは哀れなことにいろいろなところがボロボロに。。。インナーからアウターへのギアチェンジはチェーンが乗らず実質不可能。しかしもうガチで走る必要もないのでインナーでクルクル回せばよいので不便はありません。注油したオイルもとっくに剥げ落ちてキリキリ軋むような音が。ブレーキシューの磨耗も激しく、効きも悪くなっています。

ここからは雨が一段と強くなり、サングラスもびっしょりで前が良く見えません。。。緊張から解放された頭もさすがにもうろうとしてきて行き交う車がみんな2重に見えます。。。

横浜市内は交通量も多く、時間の経過とともに人通りも増えて来ました。バスも頻繁に運行しています。

油断していたら、高島町で曲がり忘れ、そのまま陸橋を超えて直進、ずいぶんと無駄なエネルギーと時間を浪費してしまいました。

その後は勝手知ったる第2京浜です。しかし追い越す車の運転が乱暴で困りました。。。ずっと伊豆を走っていたせいかもしれませんが、ここでは充分な車間距離を空けずに、しかも追い越しながら車線変更で前を塞いでくるなどされ、ヒヤヒヤものです。

雨脚は一層強まり、かなりの大雨です。横浜から二子玉川のゴールの遠いこと。。。疲れ切った脚ではスピードを上げることもできず、辛抱強く、アクシデントを避けるため、縁石やマンホール、路上に落ちているゴミなどに気を使います。。。

幸運にもパンクや大きなメカトラブルもなく無事に終わりそうです。。。

そして、いよいよ多摩川大橋を超えて東京入り、そのあと多摩堤通りを進み、ゴール場所の二子玉川、癒しふれあい館に到着。。。

ゴール地点の癒しふれあい館


こうして私のブルベ400km挑戦は無事完走で終わりました。

朝6時に出発し、翌日朝8時28分に帰還。制限時間27時間に対して、26時間28分でした。

癒しふれあい館では、主催のAJたまがわさんの関係者の方々がブルベカードの記入、各種チェックをしてくださいました。いつもながら、ブルベ主催の関係者の方々の素晴らしいサポートと情熱には本当に頭が下がります。。。

ブルベカード


主催者の方に話を伺ったところ、今回の400kmブルベはきつい部類だったそうです。

私は今回がダメだったらもうブルベをあきらめようと思っていたことを話すと、今回のブルベを完走できたら標高差の少ない600kmのブルベなら大丈夫ですよとのこと。。。

今回は緊張のあまり一切睡眠なしでいけましたが、600kmはそうはいかないと思います。600kmとは一体どんな世界なのでしょうか。。。

ドリンクをご馳走になり、しばらく休憩後、ご挨拶をして帰路につきました。

ゴール場所のすぐ先にある、二子玉川のバス停の信号に出たところで、2名のライダーさんが戻ってきました。手元の時計では8時55分。あれがもし6時スタートの方だとしたら、本当に制限時間ギリギリでゴールされたのではないでしょうか。。。

18.帰宅

家に帰宅すると、家族はみな出かけていて不在中 ^_^

無事に帰宅


でも有難いことにお風呂を沸かしてくれていました。

いろいろ心配かけたと思うけど、ありがとう。。。

風呂上がりにiPhoneで無事に帰宅したメッセージを送りました。

そのiPhoneですが、結局最後はほとんど画面を見なかったので、てっきりバッテリー切れだろうと思っていましたが、なんとゴールまでぎりぎりバッテリーが持ちました!

これ以上ないほどのギリギリでした。というのも、ゴール直後に画面ロック解除のためボタンを押した途端にバッテリー切れで落ちてしまったのです。

今回GPSナビとして使いましたが、バックではRunKeeperという記録用アプリも走らせていました。そのRunKeeperの計測データも、バッテリー切れとともに消滅してしまったか、もう少しだったのに残念と思っていたら、充電して再起動したiPhoneでアプリを立ち上げたところ、何とちゃんと記録が残っていました!

ということで、滅多にないと思われる26時間28分のRunKeeperの記録は以下のとおりです(オートストップON設定なので積算時間は停止時間を除く)。

http://runkeeper.com/user/masayk/activity/523665740

走行距離410.91km カロリー消費量8,568kcal

獲得標高8,098m 平均速度18.37km/h



消費カロリー8,568キロカロリーって。。。僕の場合一日平均だいたい1,800キロカロリーくらいだから、5日分に相当!?(( ;゚Д゚)) 

獲得標高8,098mって、これ本当でしょうか。。。?本当だとするとエベレストに迫る高さを上ったということになりますが。。。(( ;゚Д゚)) RunKeeperのHelpを読んだところちゃんと上りの積算値だけと明記していますが、たぶん下り分も含まれているのでは。。。

仮に下り分を差し引いて半分だとしても獲得標高4,000mを越えています。。。これって富士山(3,776m)を自転車で山頂まで上ったのを越えているんですが。。。(( ;゚Д゚)) 

地図のほうはあまりに距離が長すぎて拡大しないとサッパリ読み取れません。。。 ^_^

走った自分が言うのもなんですが、

もはや頭の理解を超えました。。。(´д`)

ついでに途中で切れたSuuntoのほうの記録は以下のとおりです。

http://www.movescount.com/moves/move55389982

SUUNTO Movescountの記録です

Speed関係

20時間00分00秒で停止してしまいました。なので、スタートから石廊崎を折り返して河津あたりまで(236.11km)の記録です。

平均心拍数 131
最大心拍数 180

消費カロリー 8088kcal

獲得標高 3,933m
上り時間 3時間57分46秒

最大心拍数180って。。。ランニングのタイムアタックでも滅多に出ない数値です。。。(( ;゚Д゚))

だいたいRunKeeperの記録と整合取れています。獲得標高はやはり富士山を越えていたんですね。。。(( ;゚Д゚))

速度の記録を見てビックリ。。。なんと休憩含み20時間走って28.6km/h以上のスピードで走れたのはたったの1時間12分00秒ポッキリ。。。どう解釈すればよいのか理解不能。。。


そして以下がAJたまがわ発表の暫定リザルトです。

http://ajtamagawa.org/wordpress/wp-content/uploads/2015/03/BRM307-Tamagawa-400km-AJ-Temp.pdf

エントリー 98名
DNS(Did Not Start) 51名
出走 47名
完走 32名
DNF(Did Not Finish) 15名

完走率:エントリー比32%・出走比68%

私は完走者32名中29番目のゴールでした ^_^;

完走者全員の平均タイムを計算したところ、24時間46分でした。私は平均より2時間近く遅くかったことになります。一番速い人の完走タイムは。。。18時間38分。。。信じ難いタイムです (( ;゚Д゚))

以下今回のルートです。

往路
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=d223eda4da61add3d1c119f5325652e3
復路
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=35a8628730ca77d5eea22023fcbbf334

以下はサイコンの記録です。

時間:22時間12分42秒
距離:412.01km
平均速度:15.5km/h
最高速度:52.5km/h

ミスコースや自宅からスタート地点までの往復も含んでいるので走行距離412.01kmは納得、サイコンの記録が一番精度が高いかもしれません。

私はブルベ2回しか経験していないので、ブルベに出る理由は何か、とか、ブルベ完走の意義は、とかうまく語れないのですが、

ブルベ=究極の非日常体験が楽しめる趣味性の高いスポーツ

ではないでしょうか。。。恵まれた普段の日常生活では無縁の、限られたリソースと身体の耐久力を試されるなかで問題対処とか、判断とかを求められる、他人依存できずすべてを自己完結しなければいけない責任とか、ダウンヒルでは普段隠れている野生本能と理性の葛藤みたいなものが剥き出しになります。。。(もはや意味不明文章ですね。。。)

また、これはあまり誇張するとブルベに対する先入観にバイアスがかかってしまうのですが、交通規制されていない一般公道を走ること、荒天時や夜間、僻地など有事の対応が厳しい環境下で開催されるという点で、ブルベは事故リスクが高いのは間違いないと思います。今回も事故なく無事に帰還できて本当にホッとしています。

でもそれが故の、ブルベには麻薬中毒のような抗し難い魅力があることも良くわかりました。

そんななか、貴重な週末に一人で勝手に出かける私を寛大に見送ってくれた妻や子供たちには、心配かけて申し訳ないという気持ちと、感謝の気持ちで一杯です。

またいつかブルベに出るかどうか(お許しがでるか)、まだわかりませんが、しばらくは平和な日常生活への有り難味に感謝しつつ、のんびりと過ごしたいと思っています。

最後に、今回何から何まで本当にお世話になったAJたまがわの関係者皆様への心からの感謝を記したいと思います。

試走レポートはじめ事前の豊富な情報発信に大変助けられました。素晴らしい企画のおかげで一生忘れられない経験と思い出になりました。本当に有難うございました。

http://ajtamagawa.org/2015brm/2015brm307/


今日はここで尽きました。。。いずれ反省レポートも書こうと思います。

このブログを読んで、ブルベというスポーツを少しでも多くの人に興味を持ってもらえたら嬉しいです。。。

(おわり)


7 件のコメント:

  1. お疲れ様でした。完走おめでとうございます。楽しく拝読しました。前編に登場するブルべ初挑戦は私かもしれません。辛かったです。石廊崎に着く前に、もういっぱいいっぱい。膝は耐え難い痛みの襲われ、寒さ、雨。なんとか完走しましたが、トラウマになりそうです。終わってみれば、辛かったことも楽しい思い出となりました(と自分に言い聞かせています)。今もまだ、膝も股関節も痛く、自転車通勤自粛中ですが、早くチャリに乗りたくて仕方ありません。またどこかで御一緒することもあると思います。引き続きよろしくお願いします。美濃口正

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    1. 美濃口さま
      コメント投稿ありがとうございます&完走おめでとうございます。
      しかしブルベ初挑戦で400kmは凄すぎです!
      往路でほんの束の間でしたがご一緒できて嬉しかったです。逗子のPCでお会いしてからは、私はブログのような顛末でしたので完全な別行動でしたが(笑)
      無事に完走できてホッとしていますが、反省点が山のようにあります。ようやく気持ちも落ち着いたので、これからじっくり取り掛かるつもりです。
      またどこかでご一緒できたらなにとぞ宜しくお願いいたします。

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  2. お疲れ様でした。
    時間内完走おめでとうございます。
    ゴール番として待機していたスタッフの一人です。
    本文中でも振れておられた600への不安。
    その場にいたどのスタッフも、今回完走できたらまず大抵の600は完走できると掛け値なしに感じていました。
    何が起こるかわからないのがブルベではありますが、自信を持たれて良いと思います。
    二週間前にわたしが試走を行った際もなかなか厳しいコンディションでしたが、よもや本番があそこまで厳しいものになるとは(^^;
    エントリを拝読していてしみじみ厳しさが窺えました。
    いやはや改めてお疲れ様でした。

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    1. Trinityさま
      スタッフの皆様には心から感謝しております。事前の試走レポートも大変参考になりました。
      私の失敗は、そのレポートに登場するグルメスポットを残らずマップ登録する一方で、肝心の伊豆半島の状況について何ひとつ調べなかったことです。。。(これから反省レポート書きます)
      走る側も大変でしたが、あれだけの長いコースをデザイン、事前調査して、綿密に運営される関係者の方々の知恵と情熱には、計り知れないものがあるとお察しします。
      また今後も機会がありましたらどうぞよろしくお願いいたします。
      ありがとうございました。

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  3. サーベロR32015年3月13日 8:38

    はじめまして。
    デュアスロン(CSCA)に今度の週末に初参戦するのに情報収集をしてましたら
    こちらにたどり着きました。。。
    でも私が今一番興味のあるブルベにも参加されていて、
    デュアスロンの記事も拝見させて頂きましたが
    とにかくブルベの記事に魅入ってしまい楽しく拝見させて
    頂きました。。。
    なんか男のロマンですよね。。。
    過酷で危険で、でもゴールしたときの達成感は凄いでしょうね。
    羊羹は美味しかったでしょうね。
    自転車ではありませんが登山で同じ様な症状になったとき
    食べ物がスニッカーズ一本しかなくて
    それを食べて助けられたことは今でも忘れません。

    読んでいてブルベ大変だな。。。と思いながらも
    参加してみる気持ちがますます上がりました。。。
    しかし見たことのない獲得標高。。。
    信じられませんでした。
    凄いですね。。。

    楽しいブログありがとうございました。

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    1. サーベロR3さま

      訪問いただきありがとうございます。デュアスロンCSCAは今週末なのですね。デュアスロンは私も1年前に出ましたが、あれはロードバイクを買って初めて出場したレースでした。
      そのデュアスロンでバイク30kmを走ったのが当時最長距離でした(苦笑)。あれから1年後に400kmを走ることになろうとは想像もしていませんでした。。。人生は不思議なものです。

      ミニ羊羹があれほどの力になるとは。。。自分でも驚きでした。登山で似た体験をされたということで、思いがわかっていただけて嬉しいです。

      サーベロR3乗ってらっしゃるのですね、私も同じサーベロ乗りです。もしかしたらどこかの大会でご一緒になることがあるかもしれません。そのときはどうぞよろしくお願いします。

      週末のデュアスロン、頑張ってください。私は参加したデュアスロンのエリートの部では目の前で2台の自転車がトップスピードで接触、落車の現場を目のあたりにしてしまいました。どうかサーベロR3さんも無事に目標を達成されることをお祈りしています。

      コメントありがとうございました。

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  4. 同じサーベロ乗りです。
    カラーも一緒の黒です。

    ありがとうございます。。。
    レース本当気をつけます。
    頑張ってきまーす

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